花粉症レーザー治療は妊婦さんでも受けられます
花粉症の悩みを抱える方は、毎年花粉が飛び始める季節がくると、憂鬱な気分で毎日を過ごさなければなりませんよね。
それが、大切な試験を控えた受験生や、思うように薬の服用がままならない妊婦さんであれば、なおさらの事とお察しします。
そこで、最近、花粉症の症状を緩和する治療法のひとつとして注目を集めている、花粉症のレーザー治療をご紹介したいと思います。
花粉症のレーザー治療は、放射線を使用するわけではなく、炭酸ガスを用いたものですので、妊娠中や授乳中の女性も安心して受けることができます。
花粉症レーザーによる治療の効果によって症状がおさまれば、薬の服用も必要なくなるため、眠気やだるさといった花粉症治療薬の副作用に悩まされている方々にとっても、有効な治療法の一つとなるのではないでしょうか。
花粉症レーザー治療って、どんなもの?
花粉症による鼻炎の症状には、くしゃみ、鼻水、鼻づまりがありますが、とくに鼻づまりで苦しんでいる方に効果があるのが、花粉症レーザー治療です。
鼻腔の奥には、甲介(こうかい)と呼ばれる部分があり、そこに毛細血管が集まっていて、粘膜で表面が覆われています。その部分に花粉が付着してしまうと、アレルギー反応が起きて辛い鼻炎の症状が起きてしまうのです。
花粉症レーザー治療は、その粘膜の表面をレーザーで焼いて蒸発させ、「扁平上皮化生」といわれる皮膜で保護された状態に変えて、アレルギー反応を起こしにくくするものです。
特にCO2(二酸化炭素)レーザーによる治療では、粘膜の表面だけを薄く蒸発させることができるため、出血や痛みが少なく、治療時の患者さんの身体の負担も、比較的軽くすむようです。
花粉症レーザー治療は怖くありません
花粉症レーザー治療のための装置も年々改良され、治療の初回から鼻腔の奥までレーザーが届くようになってきているため、これまでよりもレーザー治療を受ける回数も少なくなりました。
これまでは5回程度の治療を続ける必要がありましたが、現在では3回程度ですむようになってきています。
1回の治療にかかる時間は、麻酔も含めて30分程度で、入院の必要もありません。
また、花粉症レーザー治療には健康保険が適用されますので、心配するほどの多額の治療費がかかることもないでしょう。
レーザー治療後は、入浴や水泳を控えるくらいで、特に安静にしなければならないということもないそうです。
麻酔をかけて行いますので、治療中の痛みもほとんど感じることなく、チクっと感じる程度ということです。
これなら痛みに弱い人や怖がりの人でも安心ですね。
花粉症レーザー治療を受ける際の注意点
花粉症レーザー治療は、身体に大きな負担もなく、他の花粉症治療に比べ、通院回数も少なくてすみます。
ある程度の年齢(小学校高学年程度)に達していれば、お子さんでも受けることができますので、薬による眠気と戦いながら勉強している受験生にとっても、朗報といえるでしょう。
しかし、良い点ばかりに思える花粉症レーザー治療にも、受けるに際してはいくつか注意点があります。
まず、レーザー治療では完治はのぞめないため、再発してきたら、再度治療を受ける必要があります。個人差もありますが、だいたい1年〜2年程度と言われています。
また、花粉症による鼻炎の症状全てに効果があるものではありません。
レーザー治療後は、一時的にかさぶたができた状態になりますので、鼻づまりがひどくなりますが、これは4〜5日から、長くても1〜2週間でおさまってきます。
「扁平上皮化生」が形成されるまでに、1か月程度かかるため、花粉が飛び始める1か月以上前にはレーザー治療を終えていなければなりませんので、治療に踏み切るタイミングも大切です。
花粉症の症状が出始めてからでは、基本的に花粉症レーザー治療を行うことはできないという病院が多いです。
花粉症レーザー治療は、経験の豊富な専門医のもとで受けたいものですね。
お近くの専門医や花粉症レーザー治療を行っている病院を知りたいという方は、日本アレルギー学会のホームページで、耳鼻咽喉科のアレルギー専門医を検索してみてはいかがでしょうか。